「遺棄」の記事一覧

侵略的外来種が増える原因として、人による「遺棄」が挙げられる。大きくなって飼えなくなったなどの理由が考えられる。「遺棄」とは、捨てて置き去りにすることであり、その多くは死んでしまうが、一部の種・個体が生き残って繁殖・定着してしまう。

例えば、公園の池などでカミツキガメが度々発見される。1匹だけなら繁殖しないと考えられるが、交尾済だったり、複数個体いたりすると、印旛沼流域のように繁殖・定着してしまう。

つまり、遺棄は生体を捨て去る行為だが、それが繰り返されると、繁殖・定着のリスクが高まることになる。

外来種被害予防三原則

侵略的外来種の多くは、ある程度広まってしまって問題が顕在化してから認識される。つまり、ある外来種が侵略的になるかは結果論であり、事前の予測が難しい。

そこで、環境省では入れない・捨てない・拡げないの「外来種被害予防三原則」を提唱している。

  1. 入れない ~悪影響を及ぼすおそれのある外来種を自然分布域から非分布域へ「入れない」。
  2. 捨てない ~飼養・栽培している外来種を適切に管理し、「捨てない」(逃がさない・放さない・逸出させないことを含む)。
  3. 拡げない ~既に野外にいる外来種を他地域に「拡げない」(増やさないことを含む)。

ペット飼育でも提唱されているように、一度飼ったら最後まで飼い続ける「終生飼養」が、飼い主の責任といえる。