数年生きるとされるアメリカザリガニですが、実際の寿命はどのくらいでしょうか。一般にアメリカザリガニの寿命は4〜5年、多くの個体は鳥など天敵に食べられ1年以内に死亡します。飼育下では、夏捕まえた個体がその冬までは生きます。
アメリカザリガニの寿命は4〜5年
環境省ではアメリカザリガニの寿命を長いもので4~5年としています。ただし、外敵も多いことから多くの個体は1年以内に死亡し、大人になって数年生きる個体はごく一部です。きちんと飼えば、冬越しする飼育個体も普通にいます。
抱卵したザリガニは1年中見られますが、関東では6月〜9月、つまり梅雨頃から秋頃に多く観察されます。交尾したメスは1年に一回、200個〜の卵を産み、秋に産卵したものはそのまま冬を越してから孵化します。
ザリガニの寿命はない、という俗説について
ネットでは「ザリガニに寿命はない」という説も見かけますが、海に住むロブスターに寿命がない説から来ているようです。確かにロブスターは長寿で、体重10kg推定100才以上のものが見つかったこともあります。
しかし、不老ではあっても不死ではなく、大きくなればそれだけ脱皮の難易度が上がり、失敗したり途中で襲われて死にます。
内蔵を入れ替えるから不死身だ、とする話もありますが、肛門からつながっている内蔵の表皮も脱ぐことは、研究者も書いている事実です。しかし、寿命が短い種でも見られるので、寿命とは直接関係がありません。
ザリガニの寿命は冬まで?
まず、ザリガニの寿命は冬までではなく、数年生きます。自然下では深い所に移動したり、泥の中に巣穴を作ってじっとしてやり過ごしています。だいたい、10度くらいで動きが鈍り5度以下では活動できないとされています。
アメリカザリガニの多くが1年以内に死ぬ理由
日本でも昔は子沢山でしたが、現在では一人の夫婦から2人強生まれれば人口が維持できるとされています。
人口の増減は、出生、死亡、ならびに人口移動(移入、移出)の多寡によって決定される。ここでは移出入がないとすると、長期的な人口の増減は、出生と死亡の水準で決まることになる。そして、ある死亡の水準の下で、人口が長期的に増えも減りもせずに一定となる出生の水準を「人口置換水準」と呼んでいる。
日本の将来推計-平成18年12月推計の解説および参考推計(条件付推計)
たとえば、現在のわが国における死亡の水準 )を前提とした場合、合計特殊出生率の人口置換水準は、概ね2.07となっている。
アメリカザリガニでは、爆発的に増えてどうしようもない池もありますが、一回200個以上卵を産むということは、それだけ死亡率が高く大人になれる個体が少ないということです。
病気や農薬、渇水などのほかに天敵としてはサギやなどの鳥類にブラックバスやナマズなどの肉食性の魚、カメやウシガエルによる捕食があります。人間にザリガニ釣りされたり、餌が少なくて共食いなどのパターンも。
飼育下におけるアメリカザリガニの寿命の相場は?
飼育下の場合、ザリガニ自体の寿命よりも子どもがどれだけ飽きずに世話し続けられるかの要素が大きいでしょう。きちんと飼育すれば夏に捕まえたザリガニが冬越しして数年生きる例もあります。
ザリガニの寿命に関するまとめ
アメリカザリガニの寿命は7〜8年という話もよく見かけますが、実際には多くの個体が1年以内に死亡し、一部の大きくなった個体は4〜5年生きます。子どもが水辺で遊ぶのは夏から秋だと思いますが、採ってきたザリガニはその冬までは生き、うまく世話すれば越冬できる、という辺りが寿命の相場になります。